DSRAとは

May 22, 2022
Finance
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用語解説目次

DSRAとは

DSRAへの積立て

DSRAの会計処理

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DSRAとは

DSRA(Debt Service Reserve Account)は、将来のデットサービス(借入金の元本の返済額+支払利息額)のために事前に十分な資金を積み立てておくために用いられる借入返済準備金口座である。通常、デットサービスの数か月分を積み立てるという様に規定され、例えば6か月分~1年分程度を積み立てておく。

DSRAは多くのプロジェクトファイナンスのタームシートや財務モデルにおいてキーとなる。DSRAはプロジェクトの予期せぬ返済能力の減少に備えた、レンダーにとってのバッファであるCFADSがデットサービス向けに不足した場合に、この口座の積立金が不足分の支払いに充当されます。何事もなく借入金が完済された場合、DSRAも解消される。

 

DSRAへの積立て

DSRAへの積立ては、建中金利やファイナンシングコストと同様に、プロジェクトコストの一部と考えられる。DSRAは初期投資とはみなされない一方で、オペレーション期間の初期のCFADSの中から優先的に充当される。(デットサービスの後、エクイティや劣後ローンへの分配の前)

グリーンフィールドのプロジェクトでは建設期間終了時、返済期間が始まるタイミングでDSRAの積立てが行われる。ブラウンフィールドのプロジェクトでは買収時にDSRAの積立てが行われる。

DSRA残高が基準より高い場合、引き出され、逆の場合は充当される。デットサービスに必要なCFADSが不足している場合、DSRAによってその不足を補うことが出来る。言い換えれば、プロジェクトがデフォルトする前に、運営上の課題を解決する為の追加的な時間を得ることが出来ます。

 

DSRAの会計処理

DSRAは現金勘定で、バランスシート上の資産項目に該当する。仕訳例は以下の通り。

DSRAに積み立てるとき: 借方 DSRA / 貸方 現金
DSRAから引き出すとき: 借方 現金 / 貸方 DSRA

通常、DSRAは建設終了時に積み立てられ、DSRA勘定を借方で計上し、相手方は借入金や出資金等の資金源を計上する。

2011/12/31: 30億円
2012/6/30: 20億円
2012/12/31: 40億円
2013/6/30*: 10億円
*借入金完済日

DSRAはデットサービスの12か月分を要求されていると仮定する。
2011/12/31時点でのDSRAは30+20=50となり、2012/6/30時点では40+10=50となる。

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