講座目次
財務モデリングと Excel ショートカット
- Excel ショートカットは、投資対効果が非常に高い
- ショートカットには覚えるべき優先順位がある
Excelショートカットの探し方
最重要 Windowsショートカット一覧
- Windows ショートカットの重要性
- Win + E … エクスプローラーの表示
- Win + 矢印キー(←↑↓→) … ウインドウの移動
- Win + D … ウインドウ全て最小化
- Alt + Tab … アプリケーションの切替
- Ctrl + Alt + Delete … Windows セキュリティ画面表示
- エクスプローラー上で Alt + 矢印上(↑) … 上のフォルダ階層へ移動
- Shift + Delete … ファイルの完全削除
- Alt + F4 … アプリケーションの終了
- エクスプローラー上で F2 … ファイル名の変更
問答無用で覚えるExcel最重要ショートカット
- Shift + Space … 行選択
- Alt + E + S + V + Enter ... 値貼り付け
- Alt + E + S + T + Enter ... 書式貼り付け
- Ctrl + PgDn / PgUp … シート移動
- Ctrl + 矢印キー(←↑↓→) … セル高速移動
- Ctrl + 9 … 行を隠す
- Ctrl + - … 行を削除
- Ctrl + Shift + + … 行を挿入
頻出Excel ショートカット・モデル構築編
- Alt + H + H + 色選択 … セルの背景色を変更
- F2 … セルを編集 / 数式の参照先を確認
- Ctrl + Enter … 複数のセルを一括編集
- Ctrl + Shift + F3 … 選択範囲に名前の定義を作成
- Shift + F10 … 右クリックメニュー
- Alt + E + M + C … シートをコピー
- Alt + H + O + R … シート名を変更
- Alt + H + J … スタイルの選択
頻出Excel ショートカット・モデルレビュー編
- Ctrl + [ … セルの参照元へジャンプ
- Ctrl + ] … セルの参照先へジャンプ
- Ctrl + M + P … セルの参照元を矢印で表示
- Ctrl + M + D … セルの参照先を矢印で表示
- Alt + M + A + A … 参照関係の矢印を削除
- Ctrl + G + Enter … ジャンプ直前の場所へ戻る
- Alt + F11 … VBE を開くAlt + M + V + E … 数式の評価
財務モデリングと Excel ショートカット
Excel ショートカットは、投資対効果が非常に高い
財務モデリングとExcel のショートカットは切っても切り離せない関係にあると言っても過言ではない。財務モデルの構築やレビューは、Excel 上での作業量が多いため、マウスを使っていては時間がいくらあっても足らないからだ。しかし、作業量は多くとも1つ1つを見れば全く同じExcel操作を繰り返しているに過ぎない。そのため、1つの操作を短縮することで、全体の作業時間を大幅に削減することができる。分かりやすく言えば、4秒の動作を1秒に短縮するだけで、4時間の作業を1時間に圧縮することができるのだ。そういう意味で、Excel 上でのショートカットをマスターすることはとても投資対効果が高く、企業研修を実施する際にも必ずショートカットのトレーニング方法から指導するようにしている。また、Excel 作業に抵抗がある人は、本質的にExcel が苦手なのではなく、Excel 上で操作が快適にできない、つまり作業スピードが遅いことが原因でストレスに感じている場合が多い。そういった場合には、Excel でのショートカットを覚えることで、大幅にExcel のストレスが軽減されることもある。
ショートカットには覚えるべき優先順位がある
Excel 上でのショートカットは無数にあり、Windows そのもののショートカットやアドインに割り当てられているものを含めると、全部覚えきることは不可能に近い。そのため、ショートカットと言われても、どのショートカットを具体的に使えば良いのか分からないという人も多いだろう。また、財務モデルに係わっている人は、既にショートカットを駆使して業務に取り組んでおられることだろうと思うが、ショートカットについては好みもあり、知識が統一されていないことも多い。そこで今回は、現場での頻出度が高いショートカットを優先順位をつけて紹介しようと思う。
Excelショートカットの探し方
いきなりショートカット一覧に入る前に、まずショートカットの調べ方について復習をしておきたい。Excel のショートカットは、Google で調べたりマニュアルを読んだりしなくとも、Excel の画面上で簡単に確認できる。具体的な手順としては、以下のようなステップとなる。
- 操作したい機能のアイコンやボタンをExcel のリボン上で探す
- Alt ボタンを1度押して離す
- 目的の場所に向かって順にアルファベットを押す
上記のステップを、「Excel 上で行幅を変えるショートカット」を探したいケースを例に考えてみよう。まず、最初にリボン上のどこで行列を変えられるか調べる必要がある。これについては、ひたすら探してもらうしかないのだが、どうしても分からなければ Google で調べよう。リボン上では、[ホーム] タブの [セル] グループで、[書式] をクリックすると、一番上にある [行の高さ] という項目となる。
場所が分かったので、Alt ボタンを押して一度離すか長押しすると、下記のようにタブごとにアルファベットが浮かび上がってくる。
まず、行の選択は [ホーム] タブにあるため、キーボード上でH を押す。
H キーボードを押すと、[ホーム] タブの中のメニューに対して割り当てられたキーが表示されるようになる。次に、[書式] をクリックしたいので、表示されている O のキーを押す。
すると今度は、書式のメニューが表示されるので、最後に [行の高さ] に割り当てられている H キーを押す。以上のキーボードの操作から、行の高さを変えるショートカットは以下だと分かる。
Alt + H + O + H
最重要 Windowsショートカット一覧
Windows ショートカットの重要性
Excel のショートカットを押さえる前に、Windows での最重要ショートカットを復習しておきたい。Windows 上での作業は Excel と同等かそれ以上の頻度で繰り返し使うため、Windows ショートカットがマスターできていないなら、 Excel 以前にまず PC 全体の作業効率を改善する必要がある。下記にて頻出するものを優先的に紹介するので、もし知らないものがあれば、絶対に覚えて使って欲しい。
Win + E … エクスプローラーの表示
Windowsキーを押しながら E を押すことで、新規エクスプローラーウインドウを起動させることができる。また、今現在いるフォルダを複製したい場合は、Ctrl + N でエクスプローラーウインドウを複製することができるので、合わせて覚えておこう。
Win + E
Ctrl + N
Win + 矢印キー(←↑↓→)… ウインドウの移動
Windows キーを押しながら矢印キーを押すことで、画面を分割するような形でウインドウを配置させることができる。Win + → (右) または Win + ← (左) を用いてウインドウを移動させることで、1つの画面を左右に分割して使うことができる。ただし、ウインドウを左右へ移動させた後には、Enter キーを押して場所を確定させよう。Enter キーを押さないと、空いたスペースへ表示するウインドウを選択しなければならず、操作が煩わしい。
Win + 矢印右 (→) + Enter
Win + 矢印左 (←) + Enter
Win + D … ウインドウ全て最小化
Windows キーを押しながら D を押すことで、全てのウインドウを最小化させることができる。なお、もう一度 Win + D を押すと、最小化させたウインドウが再表示される。
Win + D (非表示)
Win + D (再表示)
Alt + Tab … アプリケーションの切替
Alt キーを押しながら Tab キーを押すことで、現在開いているアプリケーションを切り替えることができる。Alt キーを押しながら Tab キーを押してすぐ離すのではなく、Tabキーを何度も押すことで切り替えるアプリケーションを選択する点に注意。また、Alt キーを押しながら Shit + Tab キーを押すことで、アプリケーションを逆方向に切り替えることができる。
Alt + Tab
Alt + Shift + Tab
Ctrl + Alt + Delete … Windows セキュリティ画面表示
Ctrl キーとAlt キーを押しながら Delete キーを押すことで、Windows のセキュリティ画面を表示させることができる。Delete キーを必ず最後に押さなければいけない点に注意。セキュリティ画面では、1. ロック、2. ユーザーの切り替え、3. サインアウト、4. タスクマネージャー、と4つの項目があるが、デフォルトでは、[ロック] にフォーカスがあるため、すぐに Enter キーを押せば、ロックがかかる。一時的な離籍の際に重宝するので、Ctrl + Alt + Delete + Enter も合わせて覚えておこう。
Ctrl + Alt + Delete
Ctrl + Alt + Delete + Enter
エクスプローラー上で Alt + ↑ … 上のフォルダ階層へ移動
エクスプローラー上で何かファイルやフォルダが選択されている状態であれば、Altキー + ↑ (上) で上のフォルダ階層へ移動することができる。よくマウスでエクスプローラー上の [戻る] ボタンをクリックしている人がいるが、これだと作業が遅すぎるので、絶対にキーボードで操作するようにしよう。ちなみに Backspace キーでも上の階層へ移動できることがあるが、これは直前の場所へ [戻る] 操作なので、必ずしも上の階層へ移動する訳ではないという点に注意しよう。また、ファイルを選択した状態でEnter キーを押せばファイルが開かれる。
Alt + 矢印上 (↑)
Backspace (戻る)
Shift + Delete … ファイルの完全削除
エクスプローラー上でファイルやフォルダを選択した状態で、Shift キーを押しながら Deleteキーを押すことで、ファイルを完全に削除することができる。即座に消去したいファイルや、ゴミ箱に移動させたくない秘匿資料などをすぐに抹消できるので重宝する。
Shift + Delete
Alt + F4 … アプリケーションの終了
Altキーを押しながら F4 キーを押すことで、現在開いているアプリケーションを終了させることができる。マウスでウインドウ右上の X ボタンをクリックしている人は、このショートカットを是非覚えて欲しい。
Alt + F4
エクスプローラー上で F2 … ファイル名の変更
エクスプローラー上でファイルやフォルダを選択した状態で F2 キーを押すと、選択しているファイルやフォルダ名を変更することができる。また、エクスプローラー上でも Ctrl + C でファイルのコピー、Ctrl + V でファイルの貼り付けなどができるため、ファイルを複製した後に名前を変える際などによく使う。なお、ファイルのプロパティなどを開きたい時など、右クリックメニューを出したい時には、 Shift + F10 を使う。これは、Excel ショートカットと同じなので、覚えておくと便利。
F2
Shift + F10
問答無用で覚えるExcel最重要ショートカット
Shift + Space … 行選択
過去数万時間に及ぶ財務モデリング業務で、Ctrl + C のコピーや Ctrl + V の貼り付けと並んで最も使用したショートカットの一つだ。基本的に(高いレベルでの)財務モデリングでは行全体を使いまわしながら構築するため、幾度となく行を選択しなければならない。ちなみに、Shift + Space は全角入力になっていると機能しないため、キーボード設定を編集するか、半角入力で操作する必要がある点に注意。
Shift + Space
Alt + E + S + V + Enter ... 値貼り付け
どこかのセルをコピーした後、Alt + E + S のショートカットを押すと「形式を選択して貼り付け」のメニューを出すことができる。実は Alt + E + S は Excel 2003 以前のバージョンで実装されていた古いショートカットで、Excel 2010 以降は Alt + H + V + S が正規のショートカットなのだが、Alt + E + S の方が押しやすくキーの入力数も少ないため、現場では皆こちらのショートカットを未だ使っている気がする。尚、最後の V は Value (値) の頭文字となっている。
Alt + E +S + V + Enter
Alt + E + S + T + Enter ... 書式貼り付け
値貼り付けと同様、「形式を選択して貼り付け」の画面から最後に V ではなく T を選択すると、書式貼り付けとなる。書式は Format なので F かと思いがちだが、F は Formula が既に割り当てられているため、Format の語尾である T となっている。また、書式に含まれる情報には、条件付き書式は含まれるがコメントと入力規則は含まれない点に注意する必要がある。
Alt + E +S + T + Enter
Ctrl + PgUp / PgDn … シート移動
Ctrl キーを押しながら PgUp キーまたは PgDn キーを押すことで、左 (PgUp) または右 (PgDn) のシートへ移動することができる。ショートカットと少し関係ない蛇足となるが、Excel 上の左下にもシートを移動できるよう左右の矢印が表示されているが、ここを右クリックするとシート一覧を表示して、クリックでジャンプすることができる。
Ctrl + PgUp (左シートへ移動)
Ctrl + PgDn (右シートへ移動)
Ctrl + 矢印キー(←↑↓→) … セル高速移動
Ctrl キーを押しながら矢印キーを押すことで、Excel のシート内を高速移動することができる。移動も可能ではあるが、数式や書式を行全体に貼り付ける際、Ctrl + Shift + 右 (→) で右端までのセルを一気に選択する時に使う。シートを上下に移動する時は PgUp / PgDn キーを普通に使った方が早い。
Ctrl + 矢印キー(←↑↓→)
Ctrl + Shift + 矢印右(→) … 右端のセルまで一気に選択
Ctrl + 9 … 行を隠す
Ctrl を押しながら数字の 9 キーを押すことで行全体を隠すことができる。尚、行全体は隠れただけで削除された訳ではないので、再表示できる。再表示する際には、隠れている上下の行を選択して、Ctrl + Shift + 9 で再表示できる。また、行ではなく列を隠したい場合は、Ctrl + 0 で列が隠れる。再表示したい場合は、隠れている左右の列を選択して Ctrl + Shift + 0 で再表示される。
Ctrl + 9 (行を隠す)
Ctrl + Shift + 9 (行を再表示)
Ctrl + 0 (列を隠す)
Ctrl + Shift + 0 (列を再表示)
Ctrl + - … 行を削除
Ctrl キーを押しながらマイナスキー (-) を押すことで、行全体を削除することができる。ただし、Ctrl + - を押す前に、Shift + Space で先に行全体を選択しておこう。行全体が選択されていないと、下記のようなダイアログが出現する。行全体 (Entire row) を選択すれば行全体は削除できるのだが、R + Enter のショートカットが加わるので操作が煩わしい。 Shift + Space で行選択をし、Ctrl + - で行の削除というのは一連の流れとして非常に良く使うので、体に染み込むまで繰り返して覚えよう。
Ctrl + -
Ctrl + Shift + + … 行を挿入
Ctrl キーと Shift キーを押しながらプラスキー (+) を押すことで、行全体を削除することができる。正確には Shift キーはプラス入力に使用しているだけなので、ショートカットそのものはCtrl + + なのだが、覚えやすいように敢えて Shift を記載することにする。行の削除と同じく、Ctrl + Shift + + を押す前にShift + Space で先に行全体を選択しておこう。行全体が選択されていないと、下記のような挿入ダイアログが出現して、操作が煩わしい。
Ctrl + Shift + +
頻出Excel ショートカット・モデル構築編
Alt + H + H + 色選択 … セルの背景色を変更
セルを選択して、Alt キー + H + H で背景色の選択画面を出すことができる。背景色の変更は、矢印キーで色を選択し Enter キーを押すことで、最後までキーボードで操作はできるのだが、矢印キーを色で選択するのが面倒なので、色の選択自体はマウスでしてしまって構わない。しかし、背景色をクリアする場合は、Nキーで無色を設定できるため、背景色のクリアについては Alt + H + H + N を是非使って欲しい。
Alt + H + H
Alt + H + H + N (無色)
F2 … セルを編集 / 数式の参照先を確認
セルを選択して F2 キーを押すことで、選択しているセルの中身を編集することができる。もし、F2 キーを押してもセルの編集にならない場合は、割り当てられたファンクションキーが動いている可能性があるため、Fnキーを押しながら F2 キーを押す必要がある。F2 キーは Excel で最も使うショートカットの1つなので、絶対に覚えて欲しい。
F2
Ctrl + Enter … 複数のセルを一括編集
複数セルの一括編集には少しコツが要る。まず、複数のセルを同時に編集するため、複数のセルを選択した状態でF2キーを押す。すると、一見最初に選択したセルのみが編集されているように見えるが、編集が終わった際に Enter キーではなく、Ctrl + Enter を押す。すると、選択されている範囲のセル全てに編集内容を反映することができる。1つのセルを編集してからコピーし選択範囲へ貼り付けても良いのだが、Ctrl + Enter のショートカットを使えば1つの動作で完了するため、コピーと貼り付けを省略することができる。イメージが掴めない人は、下記のステップを自分で行ってみよう。
- Excel 上で、適当なセルを複数選択する
- F2キーを押してセルを編集モードにする
- 100と入力する
- 入力後、Enter ではなく Ctrl + Enter を押す
上記のプロセスで、選択範囲全てに100を入力されたら複数セルを一括編集できたことになる。1つのセルに100と入力してコピー・貼り付けするよりもこちらの方が早い。
Ctrl + Enter
Ctrl + Shift + F3 … 選択範囲に名前の定義を作成
名前の定義を使う際に、絶対に覚えなくてはならないショートカットの1つ。名前の定義作成画面では、以下のように4つの項目いずれかにチェックを付けて使用するが、ここでもショートカットが使えるよう、割り当てられているキーにそれぞれ下線が引いてある。例えば、Right Column であれば、下線が引いてあるRがショートカットキーである。
Ctrl + Shift + F3
Ctrl + Shift + F3 + R + Enter (右端列)
名前の定義の使い方や、具体的な使い方の手順などについては下記の記事を参照して欲しい。
Shift + F10 … 右クリックメニュー
Excel 上でどうしても右クリックで操作したいという時は、Shift キーを押しながら F10 キーを押すことで右クリックのメニューを出すことができる。あまり右クリックのショートカット自体使うことは少ないのだが、Explorer 上でも Shift + F10 で右クリックのメニューが出せるので、ファイルのプロパティを開く時などに良く使っている。
Shift + F10
Alt + E + M + C … シートをコピー
Alt + E + Mのショートカットで、シートの移動・コピー画面を出すことができる。そこからCを加えて Enter を押すと、現在選択しているシートをコピーして一番左のシートに複製する。Alt + E + M は Excel 2003 以前のバージョンで実装されていたショートカットで、Excel 2007以降のバージョンでは、Alt + H + O + M が標準となっているが、Alt + E + M の方が押しやすいキーの組み合わせかつキー数が少ないので、是非こちらを第一に覚えて欲しい。
Alt + E + M + C
Alt + H + O + M
Alt + H + O + R … シート名を変更
Alt + H + O でフォーマットメニューへ入ることができるが、R を押すとシート名を変更することができる。Alt + E + M + C でシートをコピーした後に、Alt + H + O + R のショートカットを使ってシート名を変更するまでが一連の流れだ。
Alt + H + O + R
Alt + H + J … スタイルの選択
Excel 内の標準機能で、フォントやセルの背景色、罫線なども合わせてフォーマットのパターンをあらかじめ登録しておけるセルのスタイルという機能がある。財務モデル構築の際には必要な場面に合わせてスタイルを呼び出す必要が多々あるためよく使う。ただし、スタイルの選択自体はキーボードだと遅いので、マウスで選んでしまって構わない。
Alt + H + J
頻出Excel ショートカット・モデルレビュー編
Ctrl + [ … セルの参照元へジャンプ
セル参照が含まれたセルの上で、Ctrl + [ を押すと、参照元へジャンプすることができる。一般的にあまり知られていないショートカットだが、エクセル上でモデルをレビューする際には5秒に1回は使うショートカットなので、まず最初に覚えて欲しい。[ のキーは、日本語配列のキーボードで@の右隣、または Enter キーの左隣にあることが多い。ちなみに、セル中に複数の参照先がある場合は、数式の一番初めて出てくる参照先へジャンプする。例えばセル内に (A1+B2)*C3 と入っている場合、Ctrl + [ のショートカットを押すとA1へジャンプする。
Ctrl + [
Ctrl + ] … セルの参照先へジャンプ
参照元のショートカットと逆で、セルが参照されている先へジャンプする。正直、Ctrl + ] よりも圧倒的に使う頻度は少ないのだが、参照元が左カッコなのに対し参照先が右カッコで覚えやすいので、ついでに覚えてしまおう。
Ctrl + ]
Ctrl + M + P … セルの参照元を矢印で表示
セル参照が含まれたセルの上で、Ctrl + M + P を押すと、現在のセルと参照元を結ぶ青い矢印線が表示される。また、青い矢印線をダブルクリックすることで、お互いの位置へジャンプすることができる。複数の参照元へジャンプする機能については通常サードパーティ製のツールを使うため使用頻度は少ない。
Ctrl + M + P
Ctrl + M + D … セルの参照先を矢印で表示
こちらも参照元のショートカットと逆で、Ctrl + M + P を押すと現在のセルと参照先を結ぶ青い矢印線が表示される。青い矢印線をダブルクリックすることで、お互いの位置へジャンプすることができる機能は同じ。複数の参照先については、一覧表示をした方が見やすいのでやはり通常サードパーティ製のツールを使うが、Ctrl + M + D は動作が早いので、ショートカットの使用頻度は高い。
Ctrl + M + D
Alt + M + A + A … 参照関係の矢印を削除
上記の Ctrl + M + P や Ctrl + M + D で表示した青い矢印線を消すことができる。少し切ないが、「マー (MAA)」と呟いているとすぐに覚える。
Alt + M + A + A
Ctrl + G + Enter … ジャンプ直前の場所へ戻る
Ctrl + [ で参照元へジャンプできることは分かった。この後、ジャンプ直前の場所へ戻るには、Ctrl + G + Enter のショートカットで戻れる。Ctrl + G でジャンプ画面が表示されるが、表示された時点で直前の場所がデフォルトでジャンプ位置に設定されているため、Enter キーを押すだけで直前の場所にジャンプすることができる。ちなみにこれは、Ctrl + [ の参照元へジャンプした位置のみが記録されており、Ctrl + ] の参照先へジャンプした位置は記録されないので注意しよう。
Ctrl + G + Enter
Alt + F11 … VBE を開く
VBE とは Visual Basic Editor の略で、俗に言うマクロを直接記述・管理するエディタのことだ。マクロを確認したり記述する際に Alt + F11 から VBE を開くため、必ず使うショートカットの1つだ。リボンから選択しようとすると、開発タブの一番左にある Visual Basic アイコンから開くことができる。そもそも開発タブがみつからない場合は、リボンのカスタマイズから、開発タブを表示してやる必要がある。
Alt + F11
Alt + M + V + E … 数式の評価
あまり知られていないが、Excel では段階的に数式を計算・評価してくれる機能がデフォルトで備わっている。セル内に複雑な数式が入っている場合、Alt + M + V + E を押すと、数式を分解しながら計算過程を表示してくれる。以下の数式をセルに打ち込んで、Alt + M + V + E のショートカットを例に実際に試してみよう。
=((1+2)*(3+4)+80)/(2)^3
まず、Alt + M + V の時点で数式の評価画面になり、そこから E を 1 回押すごとに計算が 1 ステップ進む。なので、実際には、Alt + M + E + E + E … と E を何度も押しながら計算のステップを確認することになる。最後まで計算が終わった時に E を押すと最初に戻るので、何も考えずに E を押していれば良い。
Alt + M + V + E
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